愚者：迷い路のこども── 目を閉じて歩く、風の行方はまだ知らない

わたしは歩きたいと思った。けれど、風の音がこわくて耳を塞いだ。わたしは自由を望んだ。けれど、その代償に気づかないふりをした。愚かさとは、知らないことより、知っていて選ばぬこと。迷い路のこどもは、目を閉じて立ち尽くす。

☽ このカードが示すもの

「愚者」の逆位置は、未熟さ、無責任、衝動的な行動や、準備不足への警鐘。心の軽さが行動を促すものではなく、足元の不安定さを生む要因となる可能性を示しています。進むべき道を選ぶ前に、一度自分の在り方や状況への理解を深める必要があります。

気持ちが先走りやすく、関係を曖昧にさせてしまう傾向があります。真剣さを示す前に、相手との距離感や信頼関係をじっくり育てる姿勢が求められています。

浅はかな判断がトラブルに繋がる可能性があります。勢いで決断する前に、情報収集や基礎力の見直しを。落ち着いた姿勢が信頼と成果を生みます。

自由を望む心の奥に、現実を直視したくない気持ちが潜んでいるかもしれません。安易な楽観より、今の自分と誠実に向き合う覚悟が鍵となります。

願いの実現には、思いつきだけでは届きません。計画や準備を疎かにしていないか振り返り、現実的な行動へ落とし込むことで力が育ち始めます。

不規則な生活や衝動的な行動が、体と心のバランスを崩すきっかけになるかもしれません。習慣を見直すことが、安定への第一歩になります。

はじめることは簡単。でも、続けることは勇気がいる。進みたい気持ちと、怖れとの間で揺れている。わたしはまだこどもかもしれない──でも、それを認めたとき、風は再び吹き始める。

今日がすてきな１日になりますように。