「感情の棚卸」ってなに?在庫確認?

目次

タロットで感情を棚卸する──心の奥にある声を象徴で見つける

はじめに:感情は、気づかれたがっている

  • 「なんとなくモヤモヤするけど、理由がわからない」
  • 「怒っているはずなのに、涙が出る」
  • 「嬉しいのに、心が晴れていかない」

こんなふうに、感情の輪郭がぼやけてしまう瞬間はありませんか? 実は、こうした言葉にならない感情こそが、心の深い部分に眠っている“本当の声”であることが多いのです。

私たちは、頭では理解しきれない感情とともに生きています。 その感情は、気づかれたがっている──ただ、どのように向き合えばいいのか分からないだけ。

そんなとき、タロットカードはそっと“象徴”というかたちで感情に光を当ててくれます。

この記事では、タロットを使った感情の棚卸のプロセスと、それによって得られる気づきを解き明かします。

この記事を読むと──

  • 自分の中にある「未整理の感情」と向き合う準備ができます
  • タロットの象徴から、言葉にならない感情を受け止めるヒントが得られます
  • 感情を可視化することで、心のバランスが自然に整っていきます

感情は“認められることでほどけていく”──タロットはその第一歩を、象徴という言語で静かに導いてくれるのです。

感情の棚卸とは、心の在庫確認である

感情の棚卸とは、心に積もった“思い”を一つひとつ見つめ直す時間のことを言います。まるで、感情という倉庫の在庫確認をするように今の自分がどんな感情を抱えているかを整理・確認するプロセスです。

それは──

  • 感情を「良い・悪い」で判断せず
  • 「今、ある」と認める
  • 「なぜそこにあるのか」を理解し
  • 「どう扱うか」を自分自身に問う

まるで、倉庫の在庫を見直すように、自分の感情という“内面のストック”に向き合うプロセスです。

このプロセスが進むと、「なんとなく重かった気持ち」が名前を持ち、「放っておいた感情」が手放しやすくなっていきます。

タロットは、この棚卸のプロセスにおいて、感情を象徴として可視化する鏡になります。

タロットは“感情の翻訳者”である

カードに描かれた人物・色・構図・象徴は、 私たちの内面にある感情を、視覚的・象徴的な言語に翻訳してくれます。

例:感情を映すカード

  • 《月》:不安・曖昧さ・混乱
  • 《力》:怒り・衝動・制御
  • 《星》:希望・癒し・理想
  • 《塔》:衝撃・崩壊・真実の露呈
  • 《太陽》:喜び・自己肯定・明快さ

カードを引くことで、「今の自分が何を感じているのか?」が見えてきます。 それは、自分で言葉にできなかった心の声が、象徴という“通訳”を通して語り始める瞬間です。

💓 大アルカナ全22枚 × 感情棚卸の象徴一覧

カード感情の象徴読み解きのヒント
愚者無垢・自由・無意識感情に無頓着な状態。気づいていない感情が潜んでいる
魔術師意欲・好奇心前向きな感情。何かを始めたい衝動や期待
女教皇静けさ・抑制表に出ない感情。内面で熟成されている思い
女帝愛情・受容優しさ・包容力。誰かを思う気持ちや自己肯定感
皇帝制御・責任感情を抑えている状態。強さの裏にある不安や緊張
教皇信頼・道徳的感情安心感・尊敬・信念に基づく感情。感情の枠組み
恋人喜び・葛藤愛と迷い。選択に伴う感情の揺れやときめき
戦車勢い・緊張感情を抑えて前進しようとする。焦りや意志の強さ
怒り・衝動・制御感情の爆発を抑える力。内なる葛藤や情熱
隠者孤独・探求一人で抱えている感情。静かな悲しみや問い
運命の輪期待・不安定さ感情の波。変化への期待と不安が入り混じる状態
正義冷静・公平感情を論理で整えようとする。感情の抑制と判断
吊るされた男保留・受容感情を一時停止している。受け入れる準備段階
終焉・手放し感情の終わり。執着を手放すことで生まれる空白
節制調和・融合感情のバランス。異なる感情を統合しようとする動き
悪魔執着・依存感情に囚われている状態。欲望・嫉妬・恐れなど
衝撃・崩壊感情の爆発。抑えていたものが一気に出る瞬間
希望・癒し優しい感情。未来への期待と回復の兆し
不安・幻想理由のわからない感情。感情が論理を曇らせる
太陽喜び・明快さ素直な感情。自己肯定と安心感。感情の解放
審判再評価・覚醒過去の感情の再燃。感情の意味を問い直すタイミング
世界完成・統合感情の成熟。すべての感情を受け入れた安定状態

💡 活用のヒント

  • ワンオラクルでカードを引いたとき、「今の感情状態」としてこの表を参照できます
  • ジャーナリングの問いとして「このカードは私の感情にどんな言葉を与えてくれるか?」と使えます
  • 感情の棚卸スプレッドの補助辞典としても活用できます
解説|ジャーナリングとは?

ジャーナリングとは、「頭の中にある考えや気持ちを、紙に書き出すこと」です。引いたタロットカードを書き留めることも大切です。

書き方は、自由。日記のように見たまま、思ったままに書いてもいいし、問いに答える形で整理していくスタイルもあります。思考の流れを追いやすくするために記録を残すことは非常におすすめです。

実践:感情棚卸のスプレッド例

🃏 3枚スプレッド「感情の構造」

  1. 表に出ている感情(例:《力》=怒りを抑えている)
  2. 隠れている感情(例:《月》=不安が根底にある)
  3. 扱うためのヒント(例:《節制》=感情のバランスを取る)

🃏 ジャーナリングで、感情とさらに深く向き合う

カードを引いたあと、その象徴から連想される問いをジャーナリングすると、感情の棚卸がさらに進みます。

たとえば──

  • 《塔》を引いたとき:「私の中で今、崩れかけている価値観は何か?」
  • 《月》を引いたとき:「今、何が不安なのか? それは本当に正体があるのか?」
  • 《力》を引いたとき:「怒りがあるとしたら、それは私の何を守ろうとしているのか?」

こうした問いは、感情に優しい言葉を与える作業。 感情は、否定されると固くなる。けれど問いかけられると、やわらかくほどけていくのです。

タロットは“感情との対話”を促す

タロットは、感情を整理するための“対話の相手”になります。 それは、他者との対話ではなく、自分自身との対話です。

  • 「私は、何を感じているのか?」
  • 「その感情は、どんな形をしているのか?」
  • 「その感情を、どう受け止めたいのか?」

こうした問いを通して、タロットは感情の棚卸という癒しの時間を与えてくれます。問いと象徴を交互に見つめることで、感情はただの“気分”ではなく、“意味を持った声”に変わります。

結び:感情は、象徴を通して静かに語りかけてくる

私たちの心の中には、まだ言葉になっていない感情がたくさんあります。 それらは、気づかれたがっている──ただ、優しい手段を待っているだけ。

タロットカードは、言葉にならない感情に対して 「今のあなたは、こう感じているのかもしれない」とそっと教えてくれる鏡です。

象徴は、心の言葉。 タロットを使うことで、感情はようやく“自分自身に届く言葉”として受け取られ、整理され、癒されていくのです。

タロットで感情を見つめることで、言葉にならなかった感情が整理され落ち着きを取り戻します。タロットによる感情の棚卸は、そうした“心の余白”をつくるための小さな営みなのです。

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