アルカナ巡礼記―魂の物語

魂の目覚め・旅の始まり

私たちは、ある日ふと気づく。

何のために歩いているのか。
誰に背中を押されているのか。
この世界は、いつからこんなに不確かになったのか──

見えない問いが、静かに胸の奥で脈を打つとき
言葉にならない感情が、風のように目の前に現れる。

タロットは、語りの地図。
その中に置かれた大アルカナは
人生の節目でもなく、答えでもない。
それは、22の問い。22の気配。
そして、22の小さな“魂の記憶”。

愚者は、まだ何も知らない。
名前も、肩書きも、目的も持たず
ただ風に吹かれて、足を踏み出す。

大アルカナたちは、決して“誰か”の物語ではない。
彼らは、あなたの中にずっといた存在だ。
そして、あなたがまだ知らない“あなた自身”の一部でもある。

この物語は、「魂が生まれてから、世界に還るまでの旅」。
けれど、一本道ではない。
幾重にも枝分かれし、問いが問いを呼び、
選ばなかった選択肢まで含めて、ひとつの風になる。

そして何度でも、最初に戻る。
愚者に出会い、
自分という謎をもう一度問い直す。

これは、まにまにの語り。
光も闇も、すべてが“必要だった”ことに気づくための
静かな巡礼記。

ようこそ──
まだ言葉になっていない問いの扉へ。

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この章が語るものは終わりました──でも、旅路の扉はまだ開かれています。

読んでくれたあなたに、良いことがありますように。