

タロットと占星術の関係──星座と惑星が語るカードの象徴
はじめに:タロットと占星術は、なぜ結びつくのか?
- 「タロットと占星術って、関係あるの?」
- 「カードに星座や天体がどう関わるの?」
- 「星の動きが、私の選択や感情とつながっているの?」
そんな疑問を感じたことはありませんか? 一見するとまったく別の占術に見えるタロットと占星術ですが、 実はどちらも“象徴”という言語を使いながら、人間の本質とその動きを読み解いています。
星は空に描かれた地図、カードは心をうつす鏡。 両者が重なり合ったとき、感情や状況がより深く、より精密に立ち上がってくるのです。
この記事では、タロットと占星術のつながりを紐解き、 カードに描かれた象徴が“宇宙の流れ”とどう響き合っているのかを探っていきます。
この記事を読むと──
- 大アルカナと星座・惑星の対応関係を知ることができる
- 占星術の視点がカードの意味に深みを与えることがわかる
- 星とカードが語る“わたしの物語”として、リーディングが豊かになる
タロットは、空に瞬く星たちと響き合いながら「今のわたし」を教えてくれる象徴の地図──その世界に耳を澄ませてみませんか?この記事では、タロットと占星術の関係性を紐解きながら、 カードの理解を深めるための新しい視点を紹介していきます。
タロットと占星術が共有する“象徴体系”とは?
タロットは78枚のカードで構成され、 そのうち22枚の《大アルカナ》は、人生の旅路や精神的成長、変容を象徴します。
占星術では、12星座・10天体・12ハウスを使い、 人間の性質・感情・運命の流れを読む体系が築かれています。
この2つの体系は、一見まったく異なる体系のように見えますが、象徴という言語によって、深層で強く結びついているのです。
たとえば……
- タロットの《力》は、獅子座と結びつく
- 《節制》は、射手座の哲学的な性質を映す
- 《月》は、占星術における“月”と同様に、感情や無意識を象徴する
こうした対応関係を理解することで、カードの意味が多角的に深まり、読みの解像度が高まるようになります。

大アルカナ × 星座・惑星の対応一覧
以下の対応は、19世紀末に活動した神秘主義団体「ゴールデン・ドーン(The Hermetic Order of the Golden Dawn)」の象徴体系をベースにしています。 この体系は、アレイスター・クロウリーによる『The Book of Thoth』や、ポール・フォスター・ケースによる『The Tarot』などの文献にも継承され、現代でも多くのタロティストに受け継がれています。
タロットカード | 対応する星座・惑星 | 象徴する性質 |
---|---|---|
愚者 | 天王星 | 自由・革新・可能性 |
魔術師 | 水星 | 知性・コミュニケーション |
女教皇 | 月 | 直感・内面・秘密 |
女帝 | 金星 | 愛・豊かさ・創造性 |
皇帝 | 牡羊座(火星) | 行動力・支配・構造 |
教皇 | 牡牛座(木星) | 教え・伝統・信念 |
恋人 | 双子座 | 選択・関係性・価値観 |
戦車 | 蟹座 | 感情の統制・前進 |
力 | 獅子座 | 勇気・自己表現・情熱 |
隠者 | 乙女座 | 内省・分析・探求 |
運命の輪 | 木星 | 拡大・変化・幸運 |
正義 | 天秤座 | バランス・公平・判断 |
吊るされた男 | 海王星 | 犠牲・視点の転換・受容 |
死 | 冥王星(蠍座) | 終焉・変容・再生 |
節制 | 射手座 | 調和・哲学・統合 |
悪魔 | 山羊座 | 欲望・束縛・物質性 |
塔 | 火星 | 崩壊・衝撃・浄化 |
星 | 水瓶座 | 希望・理想・未来志向 |
月 | 魚座 | 感情・幻想・無意識 |
太陽 | 太陽 | 喜び・自己肯定・生命力 |
審判 | 冥王星 | 再生・覚醒・カルマ |
世界 | 土星 | 完成・統合・達成 |
※対応には諸説ありますが、上記はゴールデン・ドーン系の象徴体系に基づく一例です。
占星術の視点でカードを読むとどうなるか?
カードの意味を占星術の象徴で補うことで、より深い解釈が可能になります。
例①:《力》× 獅子座
- 獅子座は自己表現と情熱の星座
- 《力》のカードは、内なる衝動を優しく制御する力を象徴
- 占星術的視点から見ると、「自分らしさをどう表現するか」がテーマになる
🔮 両者を合わせるとどう読み取れるか?
「今の私は、湧き上がる衝動や感情を、もっと自分らしい方法で外に表現しようとしている──それは強さではなく、誠実さとして扱われるべきエネルギーである。」
具体的には:
- 怒りや不満などの強い感情を無理に抑え込む必要はない
- その感情を“私らしい表現”に昇華する場面にいる
- 周囲の目を気にするよりも、自分の価値観に基づいてどう伝えるかが問われている
例②:《月》× 魚座
- 魚座は感受性と夢の星座
- 《月》は曖昧さ・幻想・直感を象徴
- 占星術的には「無意識とのつながり」「感情の海に漂う状態」として読める
🔮 両者を合わせるとどう読み取れるか?
「私は今、自分でも言葉にできない“感じ”を手探りしている。それは幻想かもしれないけれど、無視すれば本当の気持ちを見失う。この時間は、“感じる力”を信じることで、道が開かれる。」
具体的には:
- 意識で捉えきれない不安や夢のような願望に意味があると捉える視点
- 行動よりも、“感じ取る時間”や“ぼんやりした気づき”に価値がある
- 判断を急がず、直感や夢、象徴的なイメージにヒントを見出すことが大切
例③:《世界》× 土星
- 土星は制限と成熟の象徴
- 《世界》は完成と統合を意味するカード
- 占星術的には「長い旅路の果てに得られる成熟と達成」として解釈できる
🔮 両者を合わせるとどう読み取れるか?
「私は今、長い時間と努力の末に、あるテーマの“完成”地点に立っている──そこには解放と達成がある一方で、新たな責任と秩序が始まる。」
具体的には:
- “完了”は“終わり”ではなく、“成熟の上での新たな始まり”
- 今の成果には価値があり、それを守る・育てる義務も生まれる
- 現実に根ざした評価(仕事、関係性、人生設計)が動き出すタイミング
タロットと占星術の融合がもたらすもの
カードと星座の象徴が重なると、以下のような変化が起こります:
- 感情やテーマが多層的に浮かび上がる
- 「今の星の流れ」と「引いたカード」の関係が見えてくる
- カードの読みが個人の星座・天体配置とリンクし、リーディングの精度が高まる
たとえば、双子座の新月の日に《愚者》が出たら── 「新しい情報を軽やかに受け取る準備」 「思考を柔軟に保ちながら冒険に踏み出す時期」などの読み方が生まれます。
結び:星とカードが語る、私たちの物語
タロットと占星術は、空と地を結ぶ象徴の言語です。 星は動き、カードはめくられ──そのどちらも、「わたしは今、何を感じて、何に向かおうとしているか」をそっと語りかけてきます。
ホロスコープは外の宇宙の地図。 タロットは内なる宇宙の地図。
どちらも、今という瞬間に生きる「わたし」の物語を読み解くためのツールです。
星座や惑星の力を借りてカードを読むことで、 タロットはより豊かに、より深く、私たちの心に語りかけてくれます。
星とカードが語る物語は、あなた自身の物語でもあります。 どうぞ、その声に耳を澄ませてみてください。

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